ガレとジャポニズム

「ガレとジャポニズム エミール・ガレのガラス芸術にひそむ日本の美」、サントリー・ミュージアム

天保山サントリー・ミュージアム。平日は(もしかすると休日も?)人が少ないので、ゆったりできる。ほんとうは、アールヌーボーとかあんまり好きじゃないけど、ガレもそんなに好きとはいえないけど、ガラスは好きなのでまあいっかと思って行きました。

はじめのところに並べられている作品は、「コラージュされた日本美術」とあるけど、今風にいえば「パクリ」ですね。著作権とか、あんまりうるさく言わないおおらかな時代なので、大胆にパクッてます。北斎とか、ちょっと向きを変えただけでそのまんま使ってるなー。

まあしかし絵をそのまま写しましたというのとは違って、ガラスに細工していくわけなのでその技術はたいへん。並みの神経と技ではこれはできない。自分は「キノコランプ」とかあんまり好きではないが、細かい細工のガラスを何重にも重ねていくのはえらいことだということはわかる。

終わりのところでは「蜻蛉」を題にした作品ばかり。トンボは西洋ではあまりいい意味では使われない題材なのだそうな。よく見ると気持ち悪いし。しかし虫の細かい造作に美を見出すと物事は違って見えるもので、描かれたものはやはりきれいではかなげでよい。ギャラリーにいたときはちょうど日没時で、一部だけ日よけが上げてあり、そこから港の向こうに落ちる夕日が美しく、ガラスにもそれが映えて、よい時間だった。場所がよい美術館はそれだけでも値打ち高し。