七宝の雅

「春期特別展 七宝の雅」、並河靖之七宝記念館

岡崎地区、京都市美術館から5分もかからないところにある小さな美術館。神宮道を南のほうに歩いて、途中の路地を西に入ったところにある。このあたりは小学校のときにたまにいっていたところで、そのころの友だちの家もあるので、多少は知っているのだが、ここに来たのははじめて。2003年に開館したばかりのところである。といっても、新しく建物を建てたわけではなくて、昔からあった町屋を七宝の展示館に仕立てただけ。このあたりは、ちょっと古めの町屋が多いところ。神宮道をへだてて東側はラブホテル街、というよくわからないところである。

基本は住宅兼仕事場なので、そんなに広いスペースはないが、置いてあるものはとてもいい感じの品ばかり。細工がほんとうにこまかい。むちゃくちゃ根気がいりそうな作品ばかり。幕末から明治、大正にかけて生きていた人だが、ほんとうの職人さんという感じである。

作品だけではなくて、ここは庭がよい。中庭なのだが、疎水の水をひいてあり、小さな滝や池がある。手入れが行き届いていて、椅子に座っているだけで気持ちがなごむ。

ここは年中開いているのではなくて、春と秋しか開館しない。次に行けるのは秋かもしれないが、庭はいちだんときれいになっていると思う。