オブジェとしてのやきもの─走泥社の仕事─

「オブジェとしてのやきもの─走泥社の仕事─」、広島県立美術館

本願寺展を見た後で、平常展のほうも見て帰ったが、むちゃくちゃ大きい美術館というのではないにせよ、ここの平常展もそれなりに規模が大きいのである。で、ちょっと好きになったのがこれ。実用性のない「オブジェ陶磁器」である。

オブジェは今となっては普通なので、それ自体はめずらしくないが、この集団の制作物はよけいなものがないすっきり感があって、見ていて気持ちがいい。八木一夫の作品が多いが、「盲亀」「いつも離陸の角度で」「表裏なし」あたりは突き抜けている感じがする。

ほかの作家も川上力三「背信」が好き。ぱっくり割れた椅子の背中がファスナーで無理やり締めてあるところがかわいい。赤い色も効いている。

うちの部屋はきれいでないので何を置いても映えないのだけれど、すっきりと片づいた部屋にこういう陶器がぽんと置いてある部屋に住みたいと思う。