伝七捕物帳 母娘かんざし

伝七捕物帳」第26話 「母娘(おやこ)かんざし」、中村梅之助高橋長英、今村民路ほか出演、山田達雄監督、1973

この回からオープニングテーマが代わり、これまでの「向こう通るは」はなくなって、エンディングでかかっていた「江戸の花」がかかるようになった。伝七捕物帳は「江戸の花」しか覚えていなかったのだが、最初の25話以外は全部こっちがかかっていたことがわかって納得。またエンディングの映像も代わって、なじみのあるものになった(曲は同じ「江戸の花」)。

話は、草笛光子が、事情があって商家に譲った実の娘の婚儀にからんで、商家をゆすっていた悪人を殺したと思い込む。実は悪人を本当に殺したのは悪人仲間の別の悪人で、そっちがまたまた商家をゆするのだが、そこに伝七が現れて、というもの。悪人どもの話よりも、草笛光子が、咎人との縁で娘が生まれてきたことを隠すために、娘に対して必死で親子関係を否定する人情話が筋になっている。草笛光子は母親役ばっかり見ているような気がして調べてみたら、1933年生まれ。この放送の際には40歳ということになるが、見た感じでは、もっと年がいっているように思える。

また娘の方は西恵子が演じている。一昨年、ファミリー劇場の「ウルトラマンA」の再放送の時に、「ウルトラ情報局」に出演した時はあまりに年をとっていないのでびっくりした。いくつになっても若々しい人はいるものだが、この回でももちろん美しい。日本髪の方が似合うような気がする。

伝七捕物帳の中では出来は並だが、きちんと泣かせるようにつくってあって、並といえども良作。このシリーズにはほんとうに外れが少ない。