展覧会をつくるということ

「展覧会をつくるということ 市民のこころみ、コレクション展 -テーマは人間-」、広島市現代美術館

こちらは平常展のほう。今期の平常展は、日頃美術館を手伝っているボランティアが企画者になって、陳列を担当するというもの。5人でやっているので、5つの展示がある。しかし、この展示、平常展の他の展示物に混じっておいてあるので、どこからどこまでを、誰が選んだのかがわかりにくいのである。そこのところはなんとかしてもらわないと。
企画者一人一人が、企画意図について一言コメントをつけているので、そこはよし。個人的には、最初の池田満寿夫の版画の陳列がおもしろかった。基本的に池田満寿夫は好きではないのだが、「池田満寿夫の顔には目力(めぢから)がある」と言われてみると、なるほど、人物の視線が強烈でひきつけるものがある。
思うに、平常展はどこでもそうだが、美術館の所蔵品がただ並べられていて、「なぜそれが?」というのがわかりにくい。選んだスタッフのコメントが一言あれば(あると邪魔な場合もありそうだが)、けっこうおもしろくなるのではないかと思うのだが。