京都のおさんぽ

『京都のおさんぽ』沢田眉香子、竹書房、2006

京都の観光ガイドブック。シリーズになっていて、他に青山、パリ、沖縄、ニューヨーク、香港などいろいろ出ているらしい。横に長い変わった版形で、最初はなんだろう?とおもったが読んでみてわかった。パノラマ写真を多用していて、いろんな通りの写真をたくさん載せているのでこういう版形になっているのだ。
もともとこれを読んでみたのは、著者が(元エルマガジンの編集長)テレビ出演していたときのコメントがおもしろかったからだが、この本もおもしろかった。観光客がわっと行くような有名スポットは避けられていて、その周辺(あまり遠くないところにある)のちょっとおもしろいスポットが集中的に取り上げられている。この本でいえば、三条通、矢田寺、寺町通、大将軍、百万遍、黒谷、六波羅、宮川町、五條楽園など。近所に暮らしている人でないとあまり行かないようなところがていねいに拾われていて、ここは好感度大。
特に五條楽園を観光ガイドブックでとりあげているのには驚いた。特殊な本でしか取り上げていない(わたし自身も行ったことがない)ところである。写真で見ると、ほんとうに昔のたたずまいがそのまま残っている感じで、建物の感じも昭和30年代くらいの時期を思わせる渋い感じ。しかしこの本にはそこがどういう場所なのかについて詳しく書いていない(あいまいに「奥には立ち入らないように」と書いてあるだけ)。まあそりゃそうだろうとは思うが、知らずに行くとちょっと困ったことになるのではないだろうか。