平瀬露香、月山貞一とその一門展

特別展「なにわ人物誌」 平瀬露香、月山貞一とその一門、大阪歴史博物館

大阪歴史博物館が定期的に開いている「なにわ人物誌」のひとつで、今回は、幕末、明治期の豪商、文人の平瀬露香と刀鍛冶の月山貞一とその一門。どちらも全然知らなかった人。
平瀬家は、鉄山の経営から米問屋、両替でのし上がった富豪。露香はその当主だったが、いわゆる財界活動や経営よりも、趣味に打ち込んだ人で、特に茶と謡曲はプロ並みだったようだ。ほかにも和歌、俳諧、書など31の趣味があったという話。収集品も名品ぞろいで、趣味の良い富豪にどんなことができるかということがよくわかる。文書が読めるともっと面白かったと思うのだが、自分の教養では漢文のものはともかく、草書の手紙は読めないのでそこは挫折。ギャラリートークが2月にあったようで、行けなかったのがざんねん。
月山貞一は、明治生まれの刀鍛冶で、人間国宝。比較的最近まで生きていた人。代々続く刀工。刀はまったくわからないのだが、会場で貞一と、息子の貞利の刀作りのビデオが上映されていて、これが面白かった。まあ尋常な体力と忍耐力では刀鍛冶にはなれないということはよくわかった。出来の悪いものを捨てていくと一年に一本くらいしかできないのだとか。刀のことに少し興味がわいてきたのが収穫。