時をかける少女(2006年版)

時をかける少女」、仲里依紗石田卓也板倉光隆ほか出演、細田守監督、「時をかける少女」製作委員会、2006

原作とも、1983年版の映画とはまるで違った話になっているが、出来はかなりいい。恋愛テイストは83年版からはだいぶ削られていて(微妙な形で残っているのだが、そこがまたよい)、その分青春映画になっている。くどくないテイストで気持ちいい。主人公の真琴がボーイッシュで、そんなに頭がいいとか神経が細い感じに描かれていない(声もやや幼い感じ)ところがポイント高い。
京成線の電車とか東京国立博物館とか、ある程度実在の場所をにおわせるようなアイテムは出てくるが、83年版のような土地との密接なつながりはない。考えてみれば原作もそういうつくりにはなっていなかったし、なくてもいいのだ。自分自身が大林宣彦の映画にかなり引きずられていたことをあらためて反省。
音楽のほとんどがバッハになっているのもよし。変に叙情的な曲が流れていると必要以上にウェットな感じになってしまう。
サクッと見られて後味がさわやか。最近そういう映画をあまり見てないのでホッとした。