日本伝統工芸 鑑賞の手引

『日本伝統工芸 鑑賞の手引』日本工芸会(編)、芸艸堂、2000

伝統工芸展で自分があまりに物を知らないことを少々反省したので、展示会場で売られていたこの本を買ってきた。内容はタイトルの通り。伝統工芸を、陶芸・染色・漆芸・金工・木竹工・人形・その他の七つの分野に分けて、各分野での技法や製作過程について初心者にもわかりやすいような説明が施されている。図版もカラーを含めて豊富で、見ているだけでも楽しい。それぞれの図版にも簡単な説明がついていて、注目のポイントが示してある。もちろんこれ一冊で全部わかるというわけにはいかないが、初心者向けの解説書としては十分な内容が盛り込まれている。あえて言えば、より深く内容を知りたい人への分野別の文献を載せてほしかったところだが、それは本を読むのではなく実物にあたれという立場かもしれないので、難点とはしない。