日本伝統工芸展

「日本伝統工芸展」第94回、福岡天神岩田屋

この展覧会は機会があればいっているのだが、毎回行けばいくつかはきっと好きな作品があるのと、チケットもお安いので、自分にとってはお得な展覧会のひとつ。
今年の最優秀賞(総裁賞)は、漆芸の赤い器(長内洋三「乾漆提盤」)。朱色の優美な器なのだが、自分は漆芸のことはよくわからないので、なぜそれが一席なのかはわからない。漆芸をやっている人にしかわからないような技が見える人にはわかるのだろう。
よくわからないことは、工芸といってもいろんな分野があるわけで(この展覧会だと、陶芸、漆芸、金工、木竹工、その他の5分野)、それぞれの分野の優れた作品というのはあるにしても、全分野を通した一等賞というのはどういう基準で選ばれているのかということ。素人であっても、「いい作品とダメな作品」はある程度わかるかもしれない。プロなら、「いい作品の中の優劣」もある程度わかるだろう。しかし、「分野を超えた芸のすばらしさ」に点数をつけるというのはどうすればできるのか?まあ著述でも、他の分野(ノーベル賞の平和、文学賞とか)について、いつも思っている疑問ではあるのだが。作品が作られる過程について自分がもっと知っていれば、もっといろんなことが楽しめると思うので、いつも悔しい展覧会。