フリージア

フリージア』1-8、松本次郎小学館、2003-2007

これは傑作。偶然レンタルコミック屋で棚をながめていて、偶然手にした。というわけで2002年から連載されていたということも、2006年に映画になっているということも何も知りませんでした。遅いとはいえ、これが読めたのは神の配剤。話の設定、ストーリーの組み立て、キャラの造形、絵柄、何についても文句のつけようがない。いや、最初に一巻をパラパラ見ていたときは、「汚い絵柄だなー」と思っていたのだ。しかし一巻を読み通してそれは間違っているとわかった。この絵はめちゃめちゃかっこいい。このストーリーにはこの絵以外考えられない。敵討ち法という設定。仕事としての殺し、執行人と警護人、対象者たちのそれぞれの事情、どこをとってもスキを感じさせない完成度の高さだ。これだけよくできていると、映画を見るのはかなり躊躇する(特に大幅に設定やストーリーが変えられているということなので)が、熊切和嘉が監督しているということなので見てしまうかもしれない。しかし一番腹が立つのはレンタルコミック屋にまだ最新刊の9巻が入っていないということだ。いいかげんがまんできなくなったら買ってしまうかもしれない。