自民党はなぜ潰れないのか

『自民党はなぜ潰れないのか』村上正邦、平野貞夫、筆坂秀世、幻冬舎新書、2007

『参議院なんかいらない』の鼎談三人組による続編。あいかわらず三人ともいいたい放題で、どうでもいい部分もあるのだが、細川政権成立から、自社さ連立政権にいたるまでの一連の経緯を亀井静香を呼んで四人で語っている部分はおもしろい。平野は小沢―新生党側から、亀井は自民党側からそれぞれ話をつきあわせているので、この間のストーリーが立体的にわかる。
それにしても「○○はいい奴だ」「○○は非常に嫌な奴だ」という発言がみんなから頻発するのはおもしろい。政界は基本的にそういうものなのだろうが、好き嫌い、人間関係と政局が離れがたく結びついている。逆に政策の話は相対的に印象が薄く（政治資金の話などはいろいろおもしろいエピソードもあるのだが）、ある意味日本政治で何が重んじられているかを活写している。同じような本がほかの先進民主主義国で出れば、たぶんこういう書き方にはならないのではないか。