中国と台湾

『中国と台湾』岡田充、講談社現代新書、2003

2003年2月に出た本なので、書いてあるのは陳政権成立前半まで。中国は胡錦濤政権になってあまり時間がたっていない頃のものなので、カバーしている範囲は限られている。しかし今になってから読んでもいろいろとおもしろい事実はいくつか拾える。台湾内部の「台湾独立派」にはいろいろあって一枚岩ではないこと、また「台独派」の動向はかなり台湾の政局に左右されている部分が大きいことなどである。中国との早期統一論の支持者はほとんどいないとあるのでその点は無視するとして、それ以外の意見については世論も含めてかなり流動性が高いようだ。そうすると台湾独立問題をめぐるかけひきは、台湾内部の動向と中国の態度をかなり細かく見ていないと、判断はできないことになる。