韓国・北朝鮮の嘘を見破る

『韓国・北朝鮮の嘘を見破る』鄭大均古田博司(編著)、文春新書、2006

韓国、北朝鮮と日本の間の歴史問題で争点になっていることに関する「論争」本。論争といっても、韓国、北朝鮮側の主張と日本側の主張が並置された形にはなっておらず、韓国、北朝鮮側の主張に日本人として反論する形式になっている。巻頭に櫻井よしこ関川夏央古田博司の鼎談がのっていて、これが一番おもしろい。その後は個別のテーマを扱う文章が並んでいるが、広範な論点を取り上げていて、みな執筆者が違うので、文章の水準はバラバラでちょっとこれはおかしいと思える節もある。しかし原田環が執筆している節など、特に近代史に関する部分については非常に参考になる。韓国人、朝鮮人との論争本というより、日本国内で彼らの意見に与している人々との論争本としてはそれなりに役に立つかもしれない。