渋谷の考現学

鈴木健司『渋谷の考現学』、NHK出版、2007

渋谷区生まれ、世田谷区育ちのライターである著者による、渋谷の街をネタにしたエッセイ集。NHK出版のサイトの連載をまとめて本にしたもの。109、松涛、神社仏閣のようなほとんどいったことがない場所の話、円山町、地下街、映画館など行ってはいるけど、よく知らなかったところについてのいろんな知識、渋谷から湘南新宿ラインや高速夜行バスを使って、小田原とか、宇都宮とか、出雲まで行っちゃったりする。えらいなあ。渋谷川、渋谷のメイド喫茶(もう閉店したとのこと)、銀座線の話もおもしろかった。何より、著者の書き方、文体にすなおでしっかりした感じがあって、文章にすっと入っていけるところがいい。
九品仏パチ屋があって、それがコンビニになり、今では百円ショップになっているということなのだが、九品仏のどこだろう??かなり長く住んでいたのに、(パチンコはやらないのでしかたないが)ぜんぜん知らなかった。街の様子は知らないうちにどんどん変わっていくんだなあ。