キノの旅

時雨沢恵一キノの旅』、電撃文庫、2000

これはひょんなことから読むことになった。というか落し物になっていたのをたまたま拾ったので、届けるまでの間に読んで見ることにした、ということ。タイトルを以前きいたことがあるような、という程度で全然予備知識なし。後でネットで検索してから、これが大ヒットシリーズの一作目だということがわかった。奥付をみると、2002年の時点で22版。確かに売れているのだ。
内容は主人公のキノとしゃべるバイクのエルメスがいろんな国を旅してまわる、というもの。いろんな国には寓話風の設定がしてあって、民主主義とか戦争とか他人の心が読めるとか、いろんなことがネタになっている。しかーし、なんでこれが売れているのか、読んでみてもさっぱりわからない。端的にネタになっていることは、いままでいろんな本で使いまわされていることばかりでまったく新味を感じない。第五話の「大人の国」だけはまあまあ読んでいて感じがいいが、それだけ。使いまわされたネタを使うのだったら、ひとひねりが必要だと思うけど。もしかしてこれを読んでいる人は、ほとんど本を読んだことがないのか、つまらないのは一巻だけで、続編はおもしろくなるのか、うーんどうでしょう。