日本はどう報じられているか

石澤靖治編『日本はどう報じられているか』、新潮新書、2004

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、アラブ諸国、中国、韓国での日本報道(当然ながら、ほとんどは新聞についてのもの)を簡単にまとめた本。書店の目立つところにおいてあったので奥付を確認しないで買ってしまったのだが、2004年1月の刊行なので、取り上げられているのは2002年から2003年くらいの時期の報道ということになる。従って特にヨーロッパでの日本報道は、経済低迷についてのものがほとんどということになる。そういう刊行の時期に由来する偏りについては、執筆者のほうで長いスパンの報道の変化を概観して正してほしいのだが、それをきちんとやっているのは編者自身が執筆したアメリカの章くらいか。また、こういう本は「定点観測」してあるほうがいいに決まっているのだから、そろそろ同じ章立てで改訂版あるいは続編を出してもらいたいところ。
個人的には韓国についての情報が知りたくて買ったのだが、実は韓国の章が一番手抜きだった。国としての報道の仕方の偏りをきちんと書いているのはアラブ諸国と中国の章で、アメリカを加えたこの三つの章は読むに値する。