ナショナリズムと戦後民主主義 最後の対話

福田和也大塚英志ナショナリズム戦後民主主義 最後の対話』、PHP研究所、2002

表題の通りのネタについての福田と大塚の対談本。しかしくだらない。読むんじゃなかった。特に大塚英志は、歴史についてぜんぜん知らないとか言いながら、よく戦後民主主義とか憲法の価値とか語れるなあ。そんなことばっかりいってるから、サブカルチャーの評論家が余計なことに首を突っ込むなといわれてしまうのだ。それにナショナリズムと言語の関係についても何も知らないようだ。そんな人間がナショナリズムを論じてもいいのだろうか。福田はそんなに軽率なことはいっていないが、それでも経済については「中国が何でも日本より安くものを作れるようになっているから、日本の将来は危うい」なんてことを平気で言っている。比較生産費説というものを知らないのだ。やっぱり知らないことについて平気で物事を語ってしまうというのは怖いと思う。そういう意味で自分のことも含め、いろいろ反省させられた一冊。