酔いどれ天使

酔いどれ天使」、志村喬三船敏郎主演、黒澤明監督、東宝、1948

これを今頃初めて見るというのもどうかと思うが、やはり見ておいてよかった。三船敏郎はデビュー作がこれというから、ほんとうにすごい。はじめは野獣のようで、次は人間のようで、終わりは幽鬼のようだ。どの姿もただかっこいい。こんなお化けのような役者がいきなり現れて黒澤明に拾われるのだから、世の中には不思議なことがあるものだと思う。もちろん志村喬はびしっと決まっている。他の役者もみなあるべきところにはまっている。久我美子はかわいいね。中北千枝子のさびしい味わいもいい。