安倍晋三の力量

塩田潮『安倍晋三の力量』、平凡社新書、2006

安倍晋三が首相就任までの軌跡とその後の課題を簡潔にまとめた本。『論座』の2006年前半の連載をもとに加筆してある。岸信介安倍晋太郎についても、それぞれ一章をさいている。著者は政治ジャーナリストとして安定した力をもつ人なので、この本も要領よくまとめられている。安倍晋三は祖父、父の薫陶があるにしても、偶然のチャンスをつかんで首相になった人なので経験が浅い。それにしては民主党に対してよくやっていると考えるのか、政府の方向性をきちんとまとめることができていないと考えるのか、難しいところだ。そのあたりにも適切に目配りされている。