みうらじゅん『
アイデン&ティティ24歳/27歳』、角川文庫、1997
「
アイデン&ティティ」の初出は1992年ということなので、バンドブームが終わったころか。自分はロックは聴かないので、
みうらじゅんがロックにかけている思い入れはたぶんよく理解できていない。しかしこの作品はとてもいいと思う。話自体はごくありがちなのに、「青い」で片付けられないのはどうしてなのか。やはりロックの神様が
みうらじゅんに降りてきているからだろう。神様の声は、ロックがきこえない者の耳をも強引につかんでしまうものなのだと思う。