秘密の花園

三浦しをん秘密の花園』、新潮文庫、2007

三浦しをんの「女子高もの」。これはなかなかよく書けていると思う。カトリックの女子高に通う三人の女の子のおかしな感覚とちょっとだけ変化のある日常。三人のキャラクターの設定もよし。教師と恋愛関係にある淑子のはちょっと凡庸な感じもするが、それはそれでリアリティーがあって、いい。那由多と翠はカラーがはっきりしていて、これもよし。那由多が痴漢の男根にカッターの刃をあてるところは、血の色があざやかな感じで、かなりよし。
巻末の穂村弘の解説も、過不足なく内容によりそっている。買うかどうか、けっこう迷ったけど、いいお買い物だった。著者あとがきが読めないことだけがざんねん。