ああ言えばこう食う

阿川佐和子檀ふみ『ああ言えばこう食う』、集英社文庫、2001

阿川佐和子檀ふみの往復エッセイ。食べ物関係が中心だが、いつもの男(結婚)ネタ、下ネタまで幅広く扱っている。第十五回講談社エッセイ賞、というだけあって、うまく書けている。どの話にもちゃんとオチがついていてけっこう笑える。またおいしいものはおいしそうに、まずいものはまずそうに、きちんと書けてる。ツッコミもボケも両方やってるが、きちんと平仄があっている。「おわりに」で、二人の出会いのきっかけが書いてあるが、大学が同じだから元々知っていたわけじゃなく、テレビの仕事関係を通じて知り合ったとのこと。まあ慶応といっても学部も違うし、
文庫本には特別付録ということで、五木寛之との鼎談がついているが、これは蛇足というか、五木があんまりおもしろくない。大作家が素人相手に説教みたいなことをしてもそれは芸があるとはいわない。