中国的思考

蜂屋邦夫『中国的思考』、講談社学術文庫、2001

戦国期から南北朝あたりまでの中国の思想について断片的に書かれた論文、記事を集めた本。自然、水、死生観、言語と思惟、無、空、などといった概念についての文章が並べられている。「思惟と言語の間」「思惟と現実の間」は紀要論文なので、ちょっとついていけない。それ以外の部分はわりと楽しめた。著者の関心は老荘思想に強く向いているようで、水、無、空といったテーマの章は、老荘思想をよくわかっていない自分にはよかった。後は死生観の章。鬼神についての考え方、魂のあり方は、日本の魂、霊についての考えと引き比べてとても興味深い。