LOVE

みうらじゅん『LOVE』、世界文化社、2003

みうらじゅんのエッセイ集。1990年から2003年までに書いたものが集められ、年代順に並べてある。
いろいろなネタがあるが、一番納得したのは、みうらじゅんはコレクターではなくて自分マニアだというところ。コレクターはコレクションの掟に従って対象を集めなければいけないが、みうらじゅんは自分が気に入ったものをプロデュースしている。エッセイの多くは、みうらじゅんが中学から大学にかけての思い出だが、ほんとに煩悩だらけの人なんだなあ(その頃はだれでもそうだが)と感心する。自分は煩悩の持ち方が足りなかった。何事もユルくやっていてはいけない。
1998年の時点で、原稿を機械を使わず手書きだけでやっていると書かれていて相当驚いた。年のいった作家だったらそういうこともあるかもしれないが。自分がはじめてワープロ専用機を買ったのは1987年だった。今もみうらじゅんは原稿を手書きでやっているんだろうか。あれだけ本を出している人がそんなことやっていたら腱鞘炎になるのではと思うが。
谷ナオミが、熊本でスナックのママをやっていること、名前は『痴人の愛』からとったこと、がわかってとっても得をした気分。