嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生」、中谷美紀主演、中島哲也監督、「嫌われ松子の一生」製作委員会、2006

一種のミュージカル映画のようなもの。原作は小説だそうだが、確かに原作をそのまま映画にすると見るのはきつそうな感じがする。音楽映画の体裁をとるという考え方は当たりだと思う。

内容は全編、中谷美紀が1000本ノックを受けているという感じ。とにかくこれでもかといろんなキャラクターをやらされ、いろんな出来事が降ってくる。年齢も大学出たてのあたりから、53歳の晩年までやらされる。まあさすがに晩年、デブデブでひきこもりになった姿は特殊メイクでなんとかしているが顔と声が変わらないのでちょっとなじんでいないのは仕方ないか。しかし中谷美紀はほんとうにすごいと思う。1000本ノックを980本くらいは取っている感じがする。歌もばんばん歌わされているし。嵐のように不幸が降ってくる役柄にもかかわらず、それをパワーでのみこんでいるところはさすが。まだ30歳でこんな映画を撮ってもらえる役者はそういない。中谷美紀はほんとうにしあわせだ。今年見た映画の中では文句なく一番よかった。