アンダルシアの虹

「アンダルシアの虹」、中尾幸世主演、佐々木昭一郎演出、NHK製作、1983

川シリーズの二作目。前作同様、主人公が調律師で栄子という名前だという以外、物語上の連続性はない。今回はスペイン、アンダルシアが舞台。前作と違ってあまり川の場面は出てこない。その代わり、これでもかと陽光が画面いっぱいにあふれている。

アンダルシアのジプシーたちが主人公の周りの人々。しかし佐々木昭一郎のドラマはほんとに素人ばかり出してるのか、よくわからなくなるほど、登場人物の振る舞いが自然だ。陽光の下では人の表情も明るく見える。自転車を修理してくれる子供、ギター職人、フラメンコの踊り子、みなとてもいい顔をしている。画面に出てくる食べ物もトマトとか、パンとかなのだが、それがとてもおいしそうだ。トマトをきったときににじみ出てくる果汁の色がみずみずしい。