2019-03-09 鵺 新着と過去ログの物置 #小説 太宰治『鴎』 1940年に書かれた短編。小説だが、半ばはエッセイのようでもある。ほとんど自分語り。兵隊さんの書いた小説とか、酒のこと、飲み屋のこと、いろいろ材料はちりばめてあるが、ほとんどは、周りに乗り切れない自分のこと。 だいたい「芸術家」としての自分と、そういう自意識に対する自分自身の恥ずかしさのこと。あとは文豪になりたい、エラくなりたいという欲。これはいつも変わらない。