おしゃれ童子

太宰治『おしゃれ童子


これも、太宰治の自分ネタ。おしゃれ童子とはもちろん自分のこと。中学生の時から、おしゃれに打ち込み、金はあるから、着るものも自分であつらえている。そして、鳶の格好をむりやりしようとして、お店の人に今どき、そういう服はないと断られてから、鳶とは火消しのことだから、火消し道具屋に行けといわれて、「消防」のしるしの赤線入り股引を見てしまい、あきらめて帰ってくる。

高校に入っても、もちろん同じ。七十、八十まで同じことだろうと書いてある。最後は、自分を皮肉る川柳。これはいい話。