太宰治『おさん』
戦後の話。夫がよそで浮気したあげく、浮気相手と心中するという流れを妻の立場から描くというもの。半分気持ち悪い。
夫は革命を振り回して、雑誌記者と出来てしまい、相手を妊娠させてしまって、心中。夫は状況に振り回される、非常に弱い人間として描かれている。それをダメ男としてそのとおり見ているのが妻。
これは津島美知子は読んでいたのだろうか。まあ、いちいち夫の作品など読まないかもしれないが、死んでからは読んだだろう。
猪瀬直樹の本に従えば、これも弱さの演技だが、演技であっても、繰り返していれば、本当のことになることもある。