100歳の台湾人革命家・史明 自伝
史明(田中淳構成)『100歳の革命家・史明自伝 理想はいつだって煌めいて、敗北はどこか懐かしい』講談社、2018
北京、上海、張家口、山西省を渡り歩き、台湾人部隊の指揮官となったり、党学校で教育を受けたりした。数度結婚。しかし共産党が嫌になり、日本人の妻を連れて脱走、台湾に帰還。ここでも国民党支配を嫌って日本に亡命。
池袋に中華料理屋を開店し、そこで仕事を続けるが、台湾独立運動を始め、台湾内部でのテロ活動を援助する。台湾ではお尋ね者。その後日本国内での台湾独立運動がアメリカに軸足を移すと、渡米してそこで台湾独立をアピールする。妻とは離婚。
「独立の志士」みたいな感じの人だが、1970年代以前の日本が台湾独立運動の拠点になっていたとは全然知らなかった。金美玲などもその一人。それにしてもこの著者が行っていたのは本物のテロ活動で、台湾で列車を爆破するとか、蒋介石暗殺を計画するとか、まあたいへんだ。
まあ、いくつか腑に落ちないこともあるにはあるが、この本は読みやすいのがいい。いずれこういう人の検証はきちんとされなければならないが。