いまさらですがソ連邦

速水螺旋人、津久田重吾『いまさらですがソ連邦三才ブックス、2018


ソ連のいろいろネタについての本。そんなに厚い本ではないが、書いている人はソ連オタクなので、内容はきちんとしている。

ソ連は1991年になくなったから、もう27年前のこと。昭和みたいなもので、完全に歴史のかなたの話。といっても、近過去のことなので、ソ連時代のことを知っている人はたくさんいるし、この本の著者も当然当時ソ連に行っているし、いろいろ見ている。1960年代生まれくらいだったらできるだろう。

最初の3章は政治ネタで、ソ連の歴史。それからソ連軍、ソ連の市民生活とつづく。コラムがいくつかあって、これはおもしろいし、ソ連時代に生まれたロシア人父娘の対談とか、たのしめる。

公式の解説みたいなものでは全然おもしろくならないだろうが、これはそれぞれの項目が非常に突っ込んで書かれていて、どこを読んでも楽しい。学者が書くとこうはいかないだろう。また、歴代指導者の細かいエピソードなんかも読んでいてたのしい。

共産趣味も分野として確立してきたが、こういう本がこれからも出て、この趣味を後押ししてくれるといいとおもう。