私の戦後六◯年 日本共産党議長の証言

不破哲三『私の戦後六◯年 日本共産党議長の証言』新潮社、2005


不破哲三回顧録に相当するものなのだが、これは角谷浩一がインタビューをまとめて本にしたもの。角谷浩一が、御本人のお話をとって、それをまとめ、不破哲三がまたチェックを入れて、というもの。内容は、角谷浩一は話を聞くだけで、ほとんど不破哲三が話をするのみ。

というわけで、ほとんど不破哲三個人の記録部分は最初の2章くらいだけで、あとは全部共産党の公式記録。インタビューとは言え、秘書が帯同していて、メモも事前に作ってあり、適当によもやま話をしているわけではない。

政治家個人というよりは、共産党委員長、議長としての公的な活動記録。だから、共産党の党史を不破哲三が語ったというもので、基本的に個人名は出てこない。共産党だから、こういう事にならざるを得ないのはしかたがないが、これがざんねん。

最初の部分だけ、個人的な話が出てきているが、注目していた本人の名前の由来(本名は上田健二郎だが、不破哲三がどうしてついたのか)については、どう考えてもスターリンから取ったにきまっているのだが、近所のペンキ屋が不破という名前だったとか、適当にごまかしている。これは本当のことは言えないだろう。

ということで、政治家の自伝?としては、おもしろくないもの。ざんねん。