「超」独学法
野口悠紀雄『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』角川新書、2018
野口悠紀雄の独学法についての本となれば買わないわけはないが、期待以上によく書けていた。
独学の重要性がいまほど高まっている時代はないと言っているが、そのとおりで、学校システム(供給側の事情に左右されていて、学習者の需要を反映していない)に振り回されずに、自分で自分に必要なことを学ぶ技術は非常に重要なもの。
著者自身が、独学で経済学を習得したといっていて(非常に驚いた)、それであれだけできているのだから、たいへんなこと。もっとも、著者は、アメリカの大学院で経済学を学んでいる過程で経済学のおもしろさに気がついたといっているので、学校システムの重要性については十分に認識している。
おもしろいのは、過去に独学で大成した人々の話。著者は、ロールモデルの提示がいかに重要かをよくわかっているので、ここが読みどころ。知識を自分で蓄積できることは大きな強みになり、学校を使わなくても、自分の能力向上ができている。