ダイアモンド博士のヒトの秘密 #10

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第10回、「集団虐殺はなくせるのか」


この回は、殺人、戦争、集団虐殺のお話。

ダイアモンドは1937年生まれで、第二次大戦が終わった後にユダヤ強制収容所の映画を見せられたと言っている。当然第二次大戦の後も、集団虐殺は普通にやっている。

動物はどうかというと、一対一の決闘だけでなく、ハイエナ、オオカミ、チンパンジーも集団同士の殺し合いはある。動物同士の殺し合いに罪悪感はあるかというと、それはないだろうという話。言葉もなにもないので、当然。

人間の虐殺も、昔からあるわけで、アルビジョア十字軍は40年間で100万人死んだと言っている。タスマニア人の虐殺は19世紀。

ダイアモンドは、ニューギニアでの観察で、部族社会では集団虐殺はよくあることと言う。人口比では、伝統社会のほうが虐殺で死んでいる率は高い。集権的な国家の方が、暴力のコントロールがしやすい。あとはモラル。殺してはいけないという規範がないところでは、殺しやすい。

ダイアモンドは、集団虐殺は動物から受け継いだヒトの性質だが、ダイアモンドは戦争や暴力の死者比の減少から、「昔よりまし」と言っている。しかしダイアモンドは歴史的に比較しているのではないし、死者比の減少は、人間性の変化の結果だという論証もしていない。まあ、子供向きの結論。