ナノ兵器

ルイス・A・デルモンテ(黒木章人訳)『人類史上最強 ナノ兵器 その誕生から未来まで』原書房、2017


驚愕すべき本。ここに書かれていることが本当に実現するのだったら、すごいこと。著者は、ある会議で議論された結果を述べているが、人類が21世紀末までに滅亡する可能性は19%、そのうち分子ナノテク兵器による可能性は5%、スーパーインテリジェントAIによる可能性は5%、戦争による可能性は4%、人工病原体のパンデミックによる可能性は2%となっている。そんなに可能性高いのか?

この本にかかれているナノテク兵器の技術は、想像を絶するもの。透明人間はできるし、自己増殖型AIボットなんかができたら、なんでもできるだろう。偵察でも破壊でも思いのままだし、誰が攻撃したのかわからない状態で大量破壊を行うことも可能。1人を殺すことも、大人数を殺すことも変わりなくできる。システムの破壊でもなんでもできる。テロには非常に都合のいい道具で、これがテロに使われれば、影響は破滅的。

本当に驚くには、これがそれほど遠くない将来、20年以内にはできるだろうということ。シンギュラリティコンピュータとか、ほんとにできるのかと思うが、この本ではできると言っている。

そんなものが実際にできてしまえば、すべてのことを簡単に変えられる。技術はいずれ広がるので、最先端技術もいずれ汎用技術になる。そうなったら、コントロールなどできない。まあ、技術進歩を止めること自体が不可能。

著者は規制の必要を説いているが、それは不可能。技術者だから、規制の困難性がわかっていない。自分が生きている間に大被害が出ることはありうること。未来はなんでもありだ。