びんぼう草

群ようこ『びんぼう草』、新潮社、1990

短編集。表題のとおり、ちょっと貧乏くさい日常の半ばエッセイのような感じ。著者の小説にはハズレもあるのでどうかなとおもったが、これはよかった。半分小説、半分エッセイというところがうまくいっているポイントかもしれない。中では、子どもへのひそかな悪意をつづった「友だちの子供」と、拾い猫への愛情をつづった「ぶー」が特にいい。「ぶー」にはちょっと泣けてしまった。