地下アイドル潜入記 デフレ社会のなれのはて

濱野智史『地下アイドル潜入記 デフレ社会のなれのはて』新潮45 ebooklet、2013


著者は、『前田敦子はキリストを超えた』の人。ただのアホである。そっちはタイトルだけでバカにして読んでいなかったが、この本(電子版)を読んで、いよいよ本当にバカな人だと確信した。

この本、著者が地下アイドルの現場に入ってドルヲタについて書いたもの。当然東京でしかできないもの(48グループは別)なので、ここに出てくる48グループ以外のアイドルはまったくわからない。

著者が目を向けているのは、アイドルではなく、ドルヲタの方。KSDD(カスDD、クソDD)というのは初めて知ったが、DDのさらに強い蔑称。しかし、著者は自分もKSDDだと認めているし、ドルヲタの極北はKSDDだと思っている。

ドルヲタがなぜ毎日現場に行けるのかといえば、彼らがニートだから。ニートでなぜ生活できるのかといえば、彼らがテンバイヤーだから。アイドル回りの商品を転売して、ぎりぎりで生計を立てている人々。ドルヲタである以上は、現場に行けなければ意味がないので、ひたすら、そこに行くことに人生を費やしている。

それはいい。しかし、疑問に思うのは、ドルヲタが、自分がどれだけアイドルを好きかということを他のドルヲタに認めてもらうために、つまり自分の承認欲求を満たすために活動していると、この本で書いていること。

それは自分の承認欲求のためにやってることで、アイドルはその道具ということになる。それはダメでしょ。アイドルそのものが好きなのではないということになる。

実際には、そういうドルヲタもいるわけで、その場合はガチ恋ということになるわけなので、それはこの本では取り上げられていない。だからドルヲタそのものがダメということにはならないのだが、著者が承認欲求を満たされて、充実している人たちを持ち上げているのはアホ。著者がその程度の愛しか、アイドルに持っていないことを自分で暴露している。

承認欲求は、自分が好きなもの以外のところで満たしてもらいたい。著者は単に幼稚な人。