ソーシャルメディア中毒

高橋暁子『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』幻冬舎エデュケーション新書、2015


著者は、ITジャーナリスト。元小学校教諭。SNSにはミクシィから入ったと言っているので、40歳くらいの人か?SNSが出てきた初期の頃からネットを見ている人。

内容は、子供がSNSに浸かっていると、完全にSNSに時間や自分を支配されてしまい、それなしではやっていけなくなるということ。「ティーンは承認欲求でできている」と書いてあるが、そのとおり。そこにモバイル端末とSNSが入ってくると、人間関係はすべてSNSに占領されてしまい、離れられなくなる。

大人でも同じだし、子供でも自制心のある子供や、大人が端末やSNS接触を管理できている場合はいいが、そうでないとSNS奴隷になる。いまどき、大抵の家にwifiがあり、そこにつながっている端末はゲーム機だろうと何だろうとなんでもSNSを使えるので、子供をSNSから完全に引き剥がすということはできなくなっている。

ネットいじめやらいろんな問題は、基本的にはSNS依存から起こる結果。SNSから離れるということができないので、それを利用した攻撃から逃れられない。また、ソーシャル疲れという問題も当然起こる。他人の目に限度なくさらされることが当然になっているので、休む暇がない。

著者は最後に「処方箋」を書いているが、たぶん多くの人には効かないだろう。自己管理ができるようになる以前にSNSにつながっていて、親が初期にそれを止めることができなければ、どうにもならない。ゲーム脳どころではない。コミュニケーションに溺れてしまっている。ネットおそろしい。