下電バス沿線

下電バス社内報編集室編『下電バス沿線』日本文教出版、1993


「岡山文庫」の165冊目の巻。下電バス沿線の名所旧跡エピソードをまとめた本。

下電バスなので、岡山・早島、児島、下津井、倉敷・水島、天城・藤戸、宇野・琴浦というエリアが対象。この本が出た1993年は、瀬戸大橋も完成し、下津井電鉄は鉄道を廃止してバス会社になった後。

最初のところに、1993年当時の下電バスの路線図が出ている。この頃はまだたくさん路線があったのだ。岡山と児島の間は何度か乗ったことがあるのでなつかしい。

岡山や倉敷の中心部は、いまでも人が多いが、児島、下津井、宇野はどうだろうか。特にこの本が出た時は、宇高航路が廃止されてしばらくしてからのことなので、宇野があっという間にさびれてしまったころ。宇野の記憶は子供の頃に行って以来ない。フェリー乗り場の写真はたぶん、1970年代くらいだろう。

それと下津井。ここは10年前くらいに行ったと思うが、下津井の港の近くにタコを食べさせる店がいくつかあったくらいで、人もそんなにはいなかった。もっと昔には鷲羽山ハイランドに行ったことも。下電の電車が保存してある車庫がなつかしい。下津井港は古くは北前船で栄えたところで、その歴史も書かれている。

王子が岳や、渋川の海水浴場もなつかしスポット。バス沿線の歴史で、バスそのもののことは出ていないのだが、それがちょっと残念。車庫や社屋のことは今は貴重な歴史。せっかくだから、それも岡山文庫に入れてくれるといいのに。