NHK
松田浩『NHK 新版ー危機に立つ公共放送』岩波新書、2015
NHKと政治、特に自民党との関係についてのまとめ部分は、おおよそのことが簡潔にまとまっていて助かった。しかし「ETV番組改編事件」からは、著者の政治的立場が露骨に出た記述になっていて、これを簡単に信じていいのかどうかはわからない。
また、著者のいう「NHKに対する監視と激励の参加型運動」は、単なる左翼からのNHKに対する圧力にしか見えないし、著者のいう「公共性」の内容も不明。国から独立した委員会にNHKを仕切らせよというのだが、その委員会の委員を政府か国会が決めるのであれば、今の経営委員会制度と大して変わらないものになるのでは?
左翼もこんなことしか言えないようでは、NHK改革などいつまでたっても無理だろう。ぬるすぎる。