本当は結婚したくないのだ症候群

北条かや『本当は結婚したくないのだ症候群 「いつか、いい人がいれば」の真相』青春出版社、2016


著者の本は、他に2冊出ていて(『キャバ嬢の社会学』、『整形した女は幸せになっているのか』)、それがおもしろかったので、これを買ってみたが、いまいち中途半端な本。

結婚についての調査や統計、アラサー独身女性11人へのインタビュー、結婚に対する女性側の言説(1980年代以後)の変化、が主要な内容。それぞれのパートは手際よくまとまっている。著者の考え(著者自身は近く結婚したいとは考えていない)もはっきりしている。しかし、この本で初めてわかったことというものがない。

使いまわされたテーマなので、このネタで何か新しいことをいうのはむずかしい。前の2冊は、自分の知らない世界の探検という要素があったが、この本にはそれがないのが弱み。

著者がほぼ毎日書いているエッセイは読んでいるので、出し殻になっているわけではないことはわかっているが、これは仕方がない。