勝海舟 総集編 後編

「勝海舟　総集編」後編

1974年大河ドラマの総集編、後編。前編は非常におもしろかったのだが、後編はじつはそんなにおもしろくない。

松方弘樹が悪いのではなく、松方はちゃんとやっている。問題は、本来勝海舟の話でなければならないところに、坂本龍馬（藤岡弘）が出過ぎていること。

勝海舟は、一橋慶喜といろいろともめていて、表に出られない時期があったのだが、それを含めて、維新を成し遂げたのは坂本龍馬だという話になってしまっている。それじゃ勝海舟の居場所がないわ。しかし、坂本龍馬役の藤岡弘は非常によい。この藤岡弘はうっすらと覚えているので、自分にとっての坂本龍馬役者は、藤岡弘で決まり。このドラマでは、坂本龍馬を暗殺したのは、薩摩藩だということになっている。この頃はそれでも通じたのね。

当然話のクライマックスは、江戸城無血開城の勝海舟と西郷隆盛の談判。西郷役は、中村富十郎。これはさすがの貫禄。ちゃんと両者の間に花火が散っているし、松方弘樹のセリフは文句なし。

話は、ここでおわり。その後の勝海舟は描かれないのだ。勝海舟がえらいのは、維新以後に旧主や幕臣をちゃんと助けて回っていたところにもあるので、勝海舟の伝記ドラマとしてはもったいない。