ヒットラー 第1部
「ヒットラー」第1部、「我が闘争」、2003
けっこう長く、第1部が90分近く、第2部はそれ以上で、合計3時間くらい。しかも、対象にしているのは、長いナイフの夜あたりまで。逆にそれだけヒトラーが権力を握るまでのエピソードが濃い。
第1部は、ヒトラーの子供時代からミュンヘン一揆まで。成人後のヒトラーを演じているのは、「トレインスポッティング」のロバート・カーライル。ヒトラーに似ているわけではないが、ヒトラーは、髪型と口ひげがあればそれっぽく見えるので、余裕である。しかも、演技はうまい。落ち着きのない態度や、目つき、しぐさなど、よく研究している。
子供時代はちょっとしか描かれず、第1次大戦くらいからが本番。ヒトラーは兵士としてまめに働いているが、戦争が終わると、軍の指示でドイツ労働者党に潜り込み、あっという間に党首になる。
それまで指導者という柄には見えないのだが、党に入るといきなり党員の気持ちをつかむ。この辺はいちいち説明しなくても、カーライルの演技力でカバー。ヒトラーはとにかく人の下には立たないのだ。