ヒトラー 権力掌握への道 後編

ヒトラー 権力掌握への道」後編、NHKBS1、2015.12.15


後編は、大恐慌からニュルンベルク党大会、1939年あたり、戦争の直前まで。

リーフェンシュタール「信念の勝利」がちょっと映る。。リーフェンシュタールの顔だけ彩色されていて、映画は白黒。これは他人の芸術作品なので勝手に彩色できないの?でも、もうパブリックドメインだからやろうと思えばできるはず。せっかくだから彩色されたものも見たかったのに。後の方で彩色された党大会も映っていた。これはいいもの。

後は、死ぬ直前のレーム、ヒムラー、ハイドリヒ、ディートリヒなど。バイロイトやウィニフレッド・ワーグナーも映っている。

共産党と赤色戦線も映っていて、歌もある。編曲がダメだからかもしれないが、その前にかかった「ホルスト・ヴェッセル」に比べてダメダメな出来。これはアカンわ。こんなのじゃ負け。社民党のヴェルス党首の演説もある。これはなかなか上手いと思うが、聴衆の反応はほとんどなし。

ナチ党の記録フィルムが素材なので、水晶の夜とかそういうものは映っていない。適当にナレーションで片付けている。これはしかたなし。ちょっとだけ、個人撮影のフィルムで、ユダヤ人商店に奥さんを買い物に行かせて、店の前にいる突撃隊員と押し問答になるところが映っている。これを撮影するのも、下手をすると身が危ないから勇気がいるところ。

ナレーションで恐怖を煽っているが、映っているのはナチ党のかっこいいところばかり。戦争以前の素材しかないのでこれしかできない。ナレーションだけで魅力のあるものをないことにはできないのだ。このあたりが、編集だけできることの限界。

ナレーションは、建もの探訪渡辺篤史。この人のナレーションは非常によい。変に力まず、淡々とやっていて、それでいて味がある。おもしろかった。