三井家伝世の至宝

「三井家伝世の至宝」、三井記念美術館、2015.12.4


三井記念美術館には初めて行ったが、三越前の駅に隣接する三井本館の中にある。美術館ができたのは、平成17年なので最近だが、もともとは三井家の美術品を収蔵していた三井文庫をここに移してきた。つくりはとてもきれいで、お金がかかっているぜいたくなもの。

この展覧会は、会館10周年記念に、所蔵の名品と、いまは三井家の所蔵ではなくなったが、もとは三井家に縁がある品を集めてきて展示している。

展示物の中心はなんといっても茶道関係。三井家の当主や分家(10家ある)の当主たちは、皆茶道に親しんでいたので、その茶器が置いてある。不昧公の所蔵品とか、東山御物とか、そういうレベルのもの。価値が分かる人にはたいへんなものだろうと思う。

書画は、茶会にあわせたものが多く、古い中国の拓本やら、禅匠の墨跡やら、ほかにも古今和歌集藤原定家自筆の熊野御幸記とか。能面、刀剣、切手なんかもある。

三井家は昔から今に至るまでお金はじゃんじゃんあったから、何でも買い揃えられたのだ。しかし、このコレクションを理解できるのは、茶道を中心にした昔の美を理解できる人だけ。教養の薄い自分には無理。展覧会の客もご老人が多かった。