日本懐かし10円ゲーム大全

岸昭仁『日本懐かし10円ゲーム大全』、辰巳出版、2015


これはけっこう驚いた本。昔(昭和60年代くらいまで)、駄菓子屋の店頭やデパートの屋上遊園地にあった、「10円ゲーム」を集めた本。著者は、「駄菓子屋ゲーム博物館館長」。http://dgm.hmc6.net/

昔撮影した写真ではなく、現在筐体があって稼働中のゲーム機が多数載っている。こんなにあったのか…。昭和50年代はビデオゲームが登場した時期で、それまでは10円玉を入れると機械式のギミックが動作するゲームが多かった。自分が好きだったのは30円か50円で動作するものが多かった気がするが、この本に収録されているのは文字通り「10円で動く」もの。

いくつかの系統があるのだが、基本は「10円玉をそのまま弾いて、ポケットに入れると景品」か、「パチンコ球やボールを弾いて、ポケットに入れると景品」のタイプ。いずれも、景品が目標。「お菓子専用のクレーンゲーム」もある。これはたまにやったわ。

特になつかしいのは、「ドライブゲーム」。筐体を道路の描かれた絵が動き、ハンドルを操作して車を道路に沿うように動かすもの。これはかなり好きだったので、けっこうやっていた。

この本に掲載されているゲーム機は79種類。メーカー、製造年、サイズ、重さ、消費電力のデータつき。巻末に、これらのゲーム機を置いている場所(だいたい東京圏だが、佐世保にもある。ゲーム機はそんなに複雑な構造ではないと思うが、故障した時や交換部品が必要な時にどうやって対応しているのかはなぞ。

メーカー、ゲーム機を置いている店、ゲーム機ライターのインタビューつき。これも貴重なもの。ここに書かれているのだが、ビデオゲームは基盤を保存しているマニアがたくさんいるのだが、ビデオゲーム以前のゲーム機は筐体ごと保存していなければいけないので、場所をとるし、大変なのだ。駄菓子屋ゲーム博物館、行きたい。佐世保にも。

筐体が大きなゲーム(数人が同時にプレイできる潜水艦ゲームとか)はさずがにもうないのかなあ。こんな本が2015年に出ていることそのものが奇跡のようなことなのだが。