黒い瞳から百万本のバラまで ロシア愛唱歌集

山之内重美『黒い瞳から百万本のバラまで ロシア愛唱歌集』、ユーラシア・ブックレットNo.31、東洋書店、2002


版元の東洋書店がつぶれてしまい、既刊分はすべて絶版になってしまうユーラシア・ブックレット。いい本がたくさんあったのにもったいない。刊行の古いものは、ほとんど古書でしか買えず、これもAmazonマーケットプレイスで買った。

ロシア語の歌が20曲掲載されている歌集。「はじめに」で、日本で「ロシア民謡」と言われている歌は、日本の「民謡」とは意味が違っていて、単に流行歌のことだと書いてある。「ロシア民謡」は、ロシアの歌を持ち帰ったシベリア抑留者が、「ナロードナヤ・ペースニャ」を誤訳したからだろうという。

歌は、「黒い瞳」、「カリンカ」、「ウラルのぐみの木」、「バイカル湖のほとり」、「長い道」、「こころ」、「カチューシャ」、「ともしび」、「青いプラトーク」、「道」、「モスクワ郊外の夕べ」、「すずらん」、「つる」、「青い風船」、「真夜中のトロリーバス」、「アルバートの歌」、「紙の兵隊」、「わが人生の歌」、「百万本のバラ」、「恋のバカンス」を収録。

恋のバカンス」って、ロシアの歌だったのかとびっくりしたら、これは日本の歌がロシアではやっていたというもの。ソ連時代だから、さすがに歌詞はおとなしく書き換えられている。

楽譜、ロシア語歌詞(カナ表記つき)、日本語訳詞がつき、簡単な解説が付してある。これは便利だわ。著者はまだお元気なのだから、どこかで引き取って再刊してくれればいいのに。