高橋コレクション展 ミラーニューロン

高橋コレクション展 ミラー•ニューロン」、東京オペラシティー・アートギャラリー、2015.7.19



 高橋コレクションの展覧会が、初台のオペラシティーの美術館でかかっていたので行ってきた。この高橋龍太郎という人、精神科医で美術収集家ということなのだが、どんだけ持っているんですか。

1990年代から本格的なコレクションを始めたというから、長くても25年。それで、日本の主要な現代美術家の作品は、ほとんど持っているだろうというくらい持っている。美術コレクターというのは、大財閥とか、何代も続く金持ちとか、とにかく先立つものがないとできないと思うが、精神科医って、そんなに儲かるものじゃないのでは?

この人くらいの目利きだったら、まだ世に出ていない作家を見つけて作品を安く買ってくるとかそういう手を使えるかもしれないが、草間彌生なんて、1990年代初めだったら、それなりの値段はしただろう。大富豪とも思えない人が、どうやってこれだけのコレクションを作り上げることができたのか、本当によくわからない。

展覧会の図録を読むと、資産運用で成功したとか、2000年代の半ばには3億円ぐらいもう使っていたとか、いろいろ書いてある。資産運用といっても、片手間でやって簡単に何億円も儲かるものではないし、展覧会にあるコレクションを見ていると、3億円どころか、その倍使っても、これだけのものが揃うかどうかわからない。

村上隆でも、会田誠でも、これをこの人が持っていたのかと、驚くようなものが揃えられている。名前を聞いたことがない作家でも、つまらないものは並べていない。こんなコレクターがいるおかげで、こちらは安く名品を見られているわけだから、ありがたい限り。この展覧会を今月で終わってしまうので、とにかく見逃さずに済んでよかった。