闇金ウシジマくん 12,13巻

真鍋昌平闇金ウシジマくん』、12,13巻、小学館、2008


やっと順番が回ってきて、12巻と13巻を読めた。12巻は、11巻「サラリーマンくん」の後半部分と、短編「タクシードライバーくん」。

「サラリーマンくん」では、今まで同僚の小堀からさんざんカネをむしりとっていた板橋が、最後の最後で小堀からカネをむしることをあきらめて、死ぬまでオホーツク海の漁船で奴隷労働をすることに。この作品は、小悪党が最後に人情をかけて滅亡するパターン多し。読んでいる側も、小悪党の狡さを見せつけられてきた分、ほろ苦さは感じても、同情は感じない。

13巻は、テレビドラマ、映画になっていない「出会いカフェくん」。これはめずらしく、主人公がひどい目に合わないエピソード。この1巻で完結している。主人公がひどい目に合わない分、周囲の人物はどうしようもないクズだったり、凶悪だったりするが。主人公がまともな人間で、カネになびかないし、ぎりぎりの所に立っても恋人や友人を裏切らない展開は、この作品では新鮮。それでも読んでいて精神的にかなりきついことは変わらない。

この作品は、人間の残酷さをはっきり描きすぎているので、まとめて読むと気持ちがつらくなる。1巻か2巻程度を間をおいて少しずつ読んでいくのが適切。